生成AI研究室(57) MiniMax H3のモデル一覧——本体3種・軽量化版・派生モデル・部品を1枚に。何GBのGPUに載ったか、Macで動いたか、当方の実測つき

生成AI研究室(57) MiniMax H3のモデル一覧 本体・軽量化・派生・部品

MiniMax H3の「モデル」は、この3か月で本体3種から数十のファイルに増えました。本体の種類、軽くした版、別物に仕立て直した派生、差し替えられる部品——が混ざって配布されているので、初めて見る人には「どれを落とせばいいか」が分かりにくい。このサイトでも第1回から第56回まで、その時々のものを使ってきました。

この記事は、それを1枚の表にします。列は「何が違うか」「配布元とサイズ」「当方の機材(RTX 5060 Ti 16GB×2・M5 Mac 32GB・クラウド)で載ったか」「所要時間の実測」。数字は配布元の公表値と当方の実測で、試していないものは試していないと書きます。

図1: MiniMax H3のモデルの系統。本体(FL2VA/Ref2VA/Regenerate-2K)→軽量化(pruned・int8・fp8・w6a8・GGUF・nvfp4 TE)→派生(FastH3・Sol-H3・P-H3-Image・Viggle Remake)→部品(VAE 4種・テキストエンコーダ)。当方が載せた機材を色で
目次

0. 先に用語

  • FL2VA / Ref2VA: 本体の2つの型。FL2VAは「先頭・末尾の画像から(画像なしなら文章から)」、Ref2VAは「参照素材(画像9枚まで・動画3本・音声3本)から」。当方の参照動画の線は全部Ref2VA。
  • pruned: 層を間引いた軽量版。66.3GB→40.2GB(bf16)。Comfy-Orgの配布。
  • int8_convrot / fp8_scaled / w6a8: 重みの精度を落とす量子化。int8_convrotが推奨(cu130が要る)、fp8はcu130が使えない場合、w6a8はさらに小さい(16GB)。
  • GGUF: llama.cpp系の量子化形式。Q4_K_Mなど。MacのComfyUIや、stable-diffusion.cppで使う。
  • テキストエンコーダ(TE): 文章を読む部分(Qwen3-VL 32B)。本体と別ファイルで、bf16 / int8 / nvfp4(nvfp4はBlackwell以外でも動く、と配布元)。
  • VAE: 最後に絵に戻す部分(第51回)。

1. 本体(MiniMaxAI公式)

出典: MiniMaxAI/MiniMax-H3。約33B、重み一式143GB、MiniMax H3 Community License。出力は4〜15秒・24fps・短辺768p・32kHzステレオ音声。

モデル何をする公開の形
H3-Base-FL2VA文章/先頭画像/先頭+末尾画像→動画+音声重み公開
H3-Base-Ref2VA画像≤9・動画≤3・音声≤3の参照→動画+音声重み公開
H3-Regenerate-2K768pの結果を文脈ごと入れ直して2Kに重み公開(当方未使用)
H3-Context-IR入力を読み替える前処理(公式のプロンプト書き直し)ホスト側の仕組み。重みではない
H3 Max上位版APIのみ(ComfyUIにAPIノード6種・11/2)。ローカルの重みなし

当方が使っているのはFL2VAとRef2VAの軽量化版だけです(下記)。

2. 軽量化版(同じモデルを軽く)

2-1. Comfy-Org(ComfyUI用の再パッケージ)

出典: Comfy-Org/MiniMax-H3(11/7時点のdiffusion_models)。FL2VAとRef2VAで同じ6種類。

ファイルサイズ当方
bf1666.3GBRunPod RTX PRO 6000 96GBで使用(第49回・VRAM 98.8%+RAM 132GB)
int8_convrot34GBRunPod(cu130)で使用(同・VRAM 54.9GB)
pruned bf1640.2GB未使用
pruned fp8_scaled21GB未使用
pruned int8_convrot21GBデスクトップ(5060 Ti 16GB×2)の常用。Ref2VA(第22回〜)、FL2VA(第55回)
pruned w6a816GB未使用(1か月前に追加)

テキストエンコーダ: Qwen3-VL 32Bの bf16 / int8_convrot / nvfp4_awq(当方はnvfp4)。VAE: 映像fp16・int8、音声fp32。

2-2. GGUF(Mac・stable-diffusion.cpp向け)

ファイルサイズ当方
本体 Q4_K_M18.49GiBMac(ComfyUI)で87分/5秒・スワップ常時(早見表)
本体 pruned Q4_K_M10.77GiBMac(ComfyUI)+ClipProj 4Bで40分03秒/5秒・スワップ最大52GB
ClipProj 4B(軽量TE)約5.0GBMacで使用(15.4GB→5.0GB)

配布元はrealrebelai・unsloth・Abiray・molbal・leejet(stable-diffusion.cpp作者)など複数。当方の数字は9月のもので、以後MacはGGUFを使っていません。

2-3. h3.c(Mac・量子化なし)

antirez/h3.c。C+Metalで、Pythonなし。BF16の原本をSSDから流して動かすので、M5 Mac 32GBで最大常駐8.5GB。0.6MP・5秒・8ステップで26分04秒、15秒で2時間19分、0.8MP・15秒・20ステップで10時間14分(早見表)。当方のMacの本番はこれです。

2-4. その他(当方未使用・配布元の説明)

  • DeepBeepMeep/MiniMax-H3・Wan2GP: 低VRAM向けの包装。
  • nvfp4本体(lilcheaty・Abiray): Blackwell向けの4bit。
  • MLX移植(PipeNetwork/minimax-h3-mlx・Phosphene): Macの学習と生成。
  • Sol-H3(NVlabs): 「RTX 5090 1枚かDGX Sparkで音つきH3」のエンジン。Sol-H3-VAE(デコーダ)とLTX latentアダプタが部品として公開。

3. 派生モデル(別物に仕立て直したもの)

モデル配布元何が違うサイズ当方
FastH3 8-Step V2FastVideo(Comfy版: FastVideo-FastH3-Comfy)8ステップ固定の蒸留。文章/画像から。参照からは対象外pruned int8 22.13GBデスクトップで常用(0.6MP・15秒 8分21秒)。第22回
P-H3-ImagePrunaAIH3から切り出した画像モデル。8MP・8ステップ・編集8枚入力フル20〜55GB / LoRA版2.0GBLoRA版をFL2VA int8に載せて4MP 1枚94〜141秒(第55回)
Viggle RemakeViggleH3に載せる2つのLoRA(edit/swap)で動画の部分直し。ComfyUIノード+int8/GGUFで12GBまでLoRA 5.5GB(rank128で1.34GB)未使用(11/5公開)
Viggle AnimateViggleRemakeの前身(人物の置き換え)—未使用
Pika H3 FlexPika(Comfy-Orgに同梱)6ステップ向けの単一LoRA(FL2VA/Ref2VA各v1)—未使用

ここで「LoRA」と「モデル」の境目がぼやけます。P-H3-ImageとViggle Remakeは、LoRAの形で配られているが、できることが本体と違うので派生モデルに入れました。速くするだけのLoRAは次回のLoRA一覧に回します。

4. 部品(差し替えられるVAE)

VAE配布元目的当方
公式 H3 VAE(fp16/int8)MiniMaxAI / Comfy-Org基準常用
Sol-H3-VAENVlabs速さ(36層→24層蒸留・5秒768pが12.5→5.0秒@5090)未使用
LightVAElightx2v速さ(約半分・専用ノード)未使用(第26回)
Seamless Anime VAEdully3865絵柄(2D寄りの追加学習)実測済み: 公式34.3秒/int8 17.3秒/fp16 34.7秒(第56回)

5. 当方の機材別・載ったもの早見

機材載せた本体TE所要の目安
M5 Mac 32GBh3.c: BF16原本(SSD流し・常駐8.5GB) / ComfyUI: GGUF Q4_K_M・pruned Q4ClipProj 4B(GGUF時)0.6MP 5秒 8ステップ 26分(h3.c)。15秒 2時間19分
RTX 5060 Ti 16GB×2・RAM 64GBpruned int8_convrot(Ref2VA/FL2VA・21GB)+H3VMで2枚に分割 / FastH3 V2 pruned int8nvfp4_awq0.6MP 5秒 10ステップ 約8分(Ref2VA+Turbo 8step LoRA)。FastH3 0.6MP 15秒 8分21秒。P-H3-Image LoRA 4MP 1枚2分弱(RAM 43GiB)
RunPod RTX PRO 6000 96GBbf16(66.3GB・VRAM 98.8%+RAM 132GB) / int8_convrot(VRAM 54.9GB)bf160.6MP 32分・1.0MP 57分(bf16・25ステップ)。第49回
RunPod A40 48GB(8月の試行)—クラウドGPU入門で別途

読み方: 16GB 1枚で「載る」のはpruned int8(21GB)ではなく、CPUに退避しながら動くか、H3VMで2枚に分けるか、です。w6a8(16GB)は当方未検証。Macは量子化なしでもh3.cなら動く(遅い)。

6. Xでの評価(当方の引用台帳から)

当方がXで引用した投稿の反応(いいね・表示)を、モデル別に並べます。評価の物差しは「当方の引用への反応」で、モデルの良し悪しではありません。

題材引用日いいね / 表示リンク先記事への流入
P-H3-Image(公式)11/50 / 322—
P-H3-Image(16GB報告)11/64 / 407—
P-H3-Image(12編集報告)11/64 / 462—
Seamless Anime VAE11/4190 / 8,414(26)へ29
Sol-H3-VAE(ComfyUIマージ)10/31(週刊(2)で観測: 元投稿186いいね)—
Viggle Remake11/7投稿直後—

Seamless VAEの引用が突出しているのは、「差し替えるだけで絵が変わる」が刺さったためで、モデルそのものの評価とは別です。

7. どれを落とすか(当方の読み)

  • 16GB GPU×1・RAM 64GB: pruned int8_convrot(21GB)+nvfp4 TE。CPU退避で動く。H3VMがあれば2枚に。
  • 16GB×2: 上と同じでH3VM。当方の常用。
  • 24GB(4090): pruned int8が載る帯。w6a8なら余裕。当方未検証。
  • Mac 32GB: h3.c(BF16原本・遅いが壊れない)。GGUFはスワップ地獄。
  • 96GB: bf16原本。1.0MPが1時間。

次回は、LoRAの一覧(高速化・編集・動き・人物・補助)を同じ型で。


本記事の数値は、配布元の公表値(ファイルサイズ・対応)と当方の実測(早見表・各回)です。当方未使用のものは「未使用」と明記しています。


続き: (58) MiniMax H3のLoRA一覧——高速化・入れ替え・カメラ・人物・絵柄の6分類に、作者公表値・Xの反応・当方の実測を並べた

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