(54)で白素体を直し、(59)で「柔らかな厚み」をプロンプトで描いた。その続きを同じseedで00023まで回し、今回の検証としての結論が出た。先に3行で書く。
- 「筋肉質をなくす」「もっと柔らかく」という感覚の言葉より、部位を特定して「輪郭・局所の明暗・中間調の連続」という画面上の条件で書く方が、H3は希望の見た目に近づいた。 本人の言い方では「画像処理の判断がしやすい表現を的確に説明するプロンプト化が効果的」。
- 柔らかさを足そうとして量感の語(fullness・cushioned・broad contours)を重ねると、逆にごつく太く見えた(00018)。形と陰影は分けて指定する。
- 脚の描写だけで追い切れない分は、カメラで目立たなくした。 白動画のカメラを高さ3.4m・下向き21度に作り直した00023で、「多少脹脛は目立つが、アングルで見る人の注意がそこに行かない」として実用上の了承になった。

論争の経緯——同じseedで11本
条件は(59)と同じ。Ref2VA pruned int8、Qwen3-VL 32B、公式H3 fp16 VAE、10ステップ、seed固定、672×928・5秒、RTX 5060 Ti 16GB×2、ComfyUI 0.44.0(00013のみ0.36.0)。参照はキャラシート(Picture 1)と白素体の後方追従動画(Video 1)。00015〜00022はプロンプトのノード1つだけを変え、00023だけ白動画も差し替えた。
| 版 | 変えたもの | 本人評価 | 学び |
|---|---|---|---|
| 00013 | 白素体の下半身を柔らかい体形に修正、「細く」を指示 | ふくらはぎの張りが残る | 白素体の骨格は動きにしか効かない |
| 00015 | 否定語を減らし、容姿=キャラシート・動き=白素体と役割を明示 | 微妙に細身、筋肉質さは残る | 役割の明示は土台になるが、それだけでは変わらない |
| 00016 | 「柔らかな厚み・均等なふくらみ・連続した丸い曲面」を肯定形で | だいぶ良くなった | 「細く」より「厚みを保って面をつなぐ」 |
| 00017 | 曲面のつながりと、広い中間調から柔らかな陰影への移りを追加 | ふくらはぎは良い。膝裏の筋が気になる | 対象が移る |
| 00018 | 膝裏に fullness・cushioned・broad contours を追加 | ごつく太く見える。男性っぽい | 量感の語は形の指定にもなる。後退 |
| 00019 | 00017に戻し、膝裏と下腿の明暗の2文だけ追加 | よくなった。内側のラインと明暗のつながりが残る | 陰影だけを動かすと形は崩れない |
| 00020 | 赤丸で部位を共有し、両脚内側の明部→暗部を広い中間調でつなぐ2文に置換 | 指摘した部分はだいぶ良い。もう少しなだらかに | 部位を絞るほど効く |
| 00021 | わずかな細身化(a subtle reduction in calf width)と中間調の連続を整合 | 「いい感じ」=脚表現の結論 | 形は形、陰影は陰影で別々に書く |
| 00022 | カメラ参照への忠実を文章で強調 | 参照は見下ろし、生成は下から。人物が大きく頭が切れる | 文章の繰り返しでは構図は合わない |
| 00023 | 白動画をカメラ高3.4m・下向き21度・672×928で作り直し、見下ろしを言葉でも指定 | 「アングルで注意がそこに行かない。とりあえず良し」=実用上の了承 | 参照と言葉を同じ方向に揃える |
所要は1本485〜529秒(00023のみ845秒)。00015〜00023の9本で約82分。評価と書き換えを挟んで、06:36に00015を始めて09:22に00023が終わった。
外れた仮説
- 白素体の骨格を細くすれば直る(54)。動きの参照を細くしても、脚の表面の描き方はH3側が持っていて変わらなかった。
- 「細く」を重ねれば直る。幅は少し変わっても、縦の筋と陰影は残った。
- 柔らかさの語を足せば柔らかくなる(00018)。fullness・cushioned・broad contours は「厚み・広がり」の形の指定としても読め、膝裏だけのつもりが脚全体の量感を増やした。形と陰影を同時に動かしたので、どの語が主因かは分離できない。
当たった書き方——印象を観察に置き換える
00019→00021で効いた手順はこれ。
| 段階 | 書き方 |
|---|---|
| 印象 | 「筋肉質に見える」 |
| 観察 | 「内側の明るい膨らみと、その下の暗い部分の境界が強い」 |
| 対象 | the inward-facing surface of each calf(両脚の内側) |
| 変化 | an extended, continuous range of midtones・brightness changes gently and evenly |
| 形 | 細くしたい分は a subtle reduction in calf width と別の文で |
| 保持 | 肌の細部、柔らかな丸み、服装、動きとカメラ |
00020では、どこを指しているかを本人が赤丸を描いた画像で共有した。これはComfyUIの参照に入れたのではなく、プロンプトを書く側(デスクトップのChatGPT)に意図を渡すための説明資料。部位の共有が決まってから、文は2つで済んだ。
中間調の指定は「全体をぼかす」「平坦にする」ではない。対象部位の明部と暗部のあいだに連続した階調を作って、局所の凹凸の見え方を穏やかにする狙い。「なくす」と書き切ると立体感まで消えるので、「なだらかにつなぐ」の言い方にした。
カメラの追補——脚で追い切れない分は構図で
00021の後、「参照は見下ろしなのに、生成は下からあおって見える。下半身が大きく太く見えがち」という指摘が出た。00022で参照構図への忠実さを文章で繰り返したが、人物が大きくなり冒頭で頭が画面外に出た。白動画のカメラ設定を確かめると、下向きはわずか約1.55度、320×240の4:3で、生成の672×928縦長とは比率も違う。文章で「参照に合わせろ」と繰り返しても、参照そのものが浅い角度では合わせようがない。
そこで白動画を作り直した。カメラ高3.4m、後方6.3m、注視点0.95m、下向き約21度、60mm相当、672×928。全120コマで全身が余白5%以内に収まることをBlender側で検査してから、プロンプトにも「頭より高い位置から斜め下へ、頭と足の両方が余白つきで見える」と書いた。これが00023。


00023は白動画・縦横比・プロンプトを同時に変えているので、それぞれの寄与は分けられない。「高いカメラなら必ず細く見える」という法則にはしない。00021の脚の結論を消すのではなく、「最終的な印象には、局所の造形だけでなく人物の大きさ・視点・余白も効く」を追補として足す。
分担の最終形
| 何を | どこで決める |
|---|---|
| 動き・カメラ | Blenderの白素体(参照動画)。角度や人物の大きさを変えたいなら白動画を作り直す |
| 容姿(顔・服・体の比率) | キャラクターシート(参照画像) |
| 質感(肌・陰影・局所の見え方) | プロンプト。感覚の言葉ではなく、部位+明暗+階調の言葉で |
なぜここまで追えたか
11本のうち9本が、同じseedで1段落だけ変えた再生成。1本8〜9分、9本で約82分、評価と書き換えを挟んで3時間弱。1本ごとに費用を気にせず、待ち時間がコーヒー1杯分だから、「00018で後退した〉00017に戻す」という寄り道ができた。これがクレジット制なら、00016あたりで「まあいいか」と止めていた。
2枚挿しの効き方は、1枚で脹脛を焼いている裏で、もう1枚が別の検証(P-H3-ImageやVAE比較)を回せること。仮説の回転が実質2倍になる。当サイトに「16GB×2」「ローカル」で検索が来る理由も、結局ここにある。
まとめ
- 白素体を細くしても、「細く」を重ねても、量感の語を足しても外れた。効いたのは、部位を特定して明部と暗部を中間調でつなぐ、形は別の文で、という書き方。
- 00021が脚表現の結論、00023がカメラを含めた実用上の了承。どちらも本人の目視評価で、寸法や体脂肪の計測ではない。1seedでの反復なので、他のseed・他の人物への一般化は未検証。
- 動き=白素体、容姿=キャラシート、質感=プロンプト(描画の言葉で)。次からはこの分担で始める。

コメント