錬金学総論(59) 走る女性の後ろ姿、ふくらはぎは白素体を細くしても変わらず、キャラシートに合わせて「柔らかな厚み」をプロンプトで描いたら変わり始めた——動きは白素体、容姿はキャラシート、微調整はプロンプト(途中経過)

錬金学総論(59) 走る女性の後ろ姿 ふくらはぎの柔らかな厚み アイキャッチ

(54)で白素体の体形を直し、(52)の3アングルを焼き直した。そのとき残った課題が「後ろから見たふくらはぎが、キャラシートより張って見える」だった。今回はその続き。途中経過だが、進め方の考えが固まってきたので先に書く。

目次

概要——白素体をいじるより、キャラシートに合わせさせる

最初は、Blenderで作る白素体(動きの参照)の骨格を細くすれば直ると考えた。(54)で下半身を柔らかい体形に修正したが、後方のふくらはぎの張りはあまり変わらなかった。

当方の見方では、原因は白素体ではなくMiniMax H3側にある。H3が学習してきた「走る脚」の表現が、男性的で筋肉質な方向に寄っているように見える。白素体の骨格を動かしても、脚の表面の描き方はそちらに引かれる。これは観察からの推測で、学習データを確かめたものではない。

そこで振り方を変えた。白素体は動きとカメラの参照に徹する。容姿はキャラシートの全身立像(後ろ姿・横)に忠実にするようプロンプトで仕向ける。さらに、ふくらはぎを女性的に——女性の体は脂肪が多く、筋肉の上を脂肪が覆って表面が滑らかになっている——柔らかく滑らかに描くように、デスクトップ側(ChatGPT)でプロンプトの脚の段落を書き換えた。これで効果が出始めている(まだ途中)。

今の結論は、Blenderの白素体はあくまで動きに特化させ、容姿はキャラシートに忠実に、そのうえでプロンプトで微調整する流れが一番効く、ということ。以下はその3段階を、同じ時刻のコマで並べたもの。

図1: 体形修正版(00013)と柔らかな厚み指定(00016)。上段=全身、下段=ふくらはぎの同じ矩形。差はプロンプトの脚の段落(と00013→00015の間のComfyUI更新)

条件

項目値
生成MiniMax H3 Ref2VA pruned int8、テキストエンコーダ Qwen3-VL 32B、公式H3 fp16 VAE、Turbo LoRA
参照Picture 1=キャラクターシート(正面・側面・背面・顔)、Video 1=Blender白素体の後方追従5秒(320×240)
ステップ・seed10ステップ・euler/simple・denoise 1.0・seed固定(3本とも同じ)
出力672×928・24fps・124コマ・5.17秒・音声つき
機材RTX 5060 Ti 16GB×2、ComfyUI 0.44.0(00013のみ0.36.0)
所要00015=529.1秒、00016=519.4秒(8分39秒)

3本の違いはこれだけ。

版白素体プロンプトの脚の書き方本人評価
00013(11/6・(54))下半身を柔らかい体形に修正(骨格を細く)「20歳の日本人女性・柔らかな脚」を追加、細さを指示ふくらはぎの張りが残る。白素体をいじった効果は薄い
00015(11/7)同じ否定語を減らし、キャラシートの膝・ふくらはぎ・足首の幅の関係を保持と肯定形で記述。容姿=Picture 1、動き・カメラ=Video 1 と役割を明示「微妙な差だが骨格が細身になり女性っぽくなりつつある。筋肉質さは抜けない」
00016(11/7)同じ細さの指定を増やさず、柔らかな厚み・均等なふくらみ・膝下から足首へ連続した丸い曲面を4箇所で揃えて記述「だいぶ良くなった。もう少し脹脛がなめらかになるとベスト」

00015→00016は、ComfyUIの実行入力の差分を取るとプロンプトのノード1つだけ。参照メディアの指定・seed・ステップ・モデルはすべて同じで、これは厳密な同条件比較になっている。00013→00015はComfyUIの更新(0.36→0.44)を挟むので、プロンプト単独の比較とは言えない。

何を書き換えたか

00015から00016で変えたのは、脚を説明する4つの段落(subject_definitions・summary・retention_analysis・detailed_description)の重心。

箇所0001500016
定義膝・ふくらはぎ・足首の相対的な幅、緩やかに丸い輪郭比率、全体の厚み、柔らかくクッションのある輪郭
要約calf shape / lower-leg silhouettessoftly rounded calf surfaces / natural lower-leg fullness
保持幅の関係とシルエット全体の厚み、均等な柔らかいふくらみ、連続した丸い曲面
詳細幅の比率と足首へ向かう輪郭softly cushioned contours・evenly distributed fullness beneath smooth skin・one continuous, softly rounded surface

考え方はこうだ。00013まで「細く」を重ねると、脚の幅は少し変わっても、表面の縦の筋と陰影は残った。本人の経験則として「否定語で書くと逆に寄る」があるので、筋肉・男性・アスリートといった否定の列挙はやめ、望む形を肯定形だけで描く。そして「細さ」ではなく「厚みを保ったまま表面を連続した丸い面にする」と、皮膚の下のふくらみを描く言葉に替えた。

公式のプロンプト書式(6セクション、参照の役割の明示)はHugging Faceの公式ガイドで確認した。ただし「否定語で逆に強まる」は公式に書かれた仕組みではなく、当方の経験則として扱っている。

図2: 00015と00016のふくらはぎ、1・2.5・3・4秒の同じ矩形(デスクトップ側の比較図)。補正なし

見えたこと

  • 00016は、下腿の明暗の移り変わりが穏やかに見えるコマがある。本人の「だいぶ良くなった」はこの印象。
  • 一方で、膝下からふくらはぎにかけての局所的な膨らみと縦の陰影は残る。全コマで滑らかになったわけではない。
  • 背景や脚の位置は時刻を揃えても完全一致しない。これは「同じ時刻のコマを並べた」比較で、寸法や体脂肪を測ったものではない。
  • 1組・1seedの結果。どの単語が効いたか、他のseedで再現するかは未検証。
00016(柔らかな厚み指定)。後方追従5秒・672×928・音声つき

次に試すこと

残課題は「今の太さを保ったまま、ふくらはぎ表面の曲面と明暗のつながりをもう一段滑らかにする」。脚の太さや動きの指定は増やさず、次の2つを別々に試す。

  1. 表面の連続性の語を増やす(形の側)。
  2. 脚への光を Broad, softly graded light follows the rounded surfaces of her calves. のように描く(光の側)。最初から形と光を同時に変えない。

Seamless VAEは(56)で顔も変わったので、体形の問題の第一候補にはしない。

まとめ

  • 白素体の骨格を細くしても、「細く」を重ねても、表面の筋は消えなかった。原因はH3側の「走る脚」の描き方にある、が当方の見方。「柔らかな厚み・均等なふくらみ・連続した丸い曲面」を肯定形で書いたら、本人評価で「だいぶ良くなった」。
  • 00015→00016はプロンプトのノード1つだけの差で、同条件比較としては今回が一番きれい。
  • 流れとしては、白素体=動き、キャラシート=容姿、プロンプト=微調整。この分担で進める(途中経過)。
  • 16GB×2、10ステップで1本8分39秒。白素体とキャラシートは(54)のまま。

関連

続き: (60) 脹脛論争の結論——「筋肉質をなくす」ではなく「内側の明部と暗部を中間調でつなぐ」、そして最後は見下ろしカメラだった

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

目次