(54)で白素体の体形を直し、(52)の3アングルを焼き直した。そのとき残った課題が「後ろから見たふくらはぎが、キャラシートより張って見える」だった。今回はその続き。途中経過だが、進め方の考えが固まってきたので先に書く。
概要——白素体をいじるより、キャラシートに合わせさせる
最初は、Blenderで作る白素体(動きの参照)の骨格を細くすれば直ると考えた。(54)で下半身を柔らかい体形に修正したが、後方のふくらはぎの張りはあまり変わらなかった。
当方の見方では、原因は白素体ではなくMiniMax H3側にある。H3が学習してきた「走る脚」の表現が、男性的で筋肉質な方向に寄っているように見える。白素体の骨格を動かしても、脚の表面の描き方はそちらに引かれる。これは観察からの推測で、学習データを確かめたものではない。
そこで振り方を変えた。白素体は動きとカメラの参照に徹する。容姿はキャラシートの全身立像(後ろ姿・横)に忠実にするようプロンプトで仕向ける。さらに、ふくらはぎを女性的に——女性の体は脂肪が多く、筋肉の上を脂肪が覆って表面が滑らかになっている——柔らかく滑らかに描くように、デスクトップ側(ChatGPT)でプロンプトの脚の段落を書き換えた。これで効果が出始めている(まだ途中)。
今の結論は、Blenderの白素体はあくまで動きに特化させ、容姿はキャラシートに忠実に、そのうえでプロンプトで微調整する流れが一番効く、ということ。以下はその3段階を、同じ時刻のコマで並べたもの。

条件
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 生成 | MiniMax H3 Ref2VA pruned int8、テキストエンコーダ Qwen3-VL 32B、公式H3 fp16 VAE、Turbo LoRA |
| 参照 | Picture 1=キャラクターシート(正面・側面・背面・顔)、Video 1=Blender白素体の後方追従5秒(320×240) |
| ステップ・seed | 10ステップ・euler/simple・denoise 1.0・seed固定(3本とも同じ) |
| 出力 | 672×928・24fps・124コマ・5.17秒・音声つき |
| 機材 | RTX 5060 Ti 16GB×2、ComfyUI 0.44.0(00013のみ0.36.0) |
| 所要 | 00015=529.1秒、00016=519.4秒(8分39秒) |
3本の違いはこれだけ。
| 版 | 白素体 | プロンプトの脚の書き方 | 本人評価 |
|---|---|---|---|
| 00013(11/6・(54)) | 下半身を柔らかい体形に修正(骨格を細く) | 「20歳の日本人女性・柔らかな脚」を追加、細さを指示 | ふくらはぎの張りが残る。白素体をいじった効果は薄い |
| 00015(11/7) | 同じ | 否定語を減らし、キャラシートの膝・ふくらはぎ・足首の幅の関係を保持と肯定形で記述。容姿=Picture 1、動き・カメラ=Video 1 と役割を明示 | 「微妙な差だが骨格が細身になり女性っぽくなりつつある。筋肉質さは抜けない」 |
| 00016(11/7) | 同じ | 細さの指定を増やさず、柔らかな厚み・均等なふくらみ・膝下から足首へ連続した丸い曲面を4箇所で揃えて記述 | 「だいぶ良くなった。もう少し脹脛がなめらかになるとベスト」 |
00015→00016は、ComfyUIの実行入力の差分を取るとプロンプトのノード1つだけ。参照メディアの指定・seed・ステップ・モデルはすべて同じで、これは厳密な同条件比較になっている。00013→00015はComfyUIの更新(0.36→0.44)を挟むので、プロンプト単独の比較とは言えない。
何を書き換えたか
00015から00016で変えたのは、脚を説明する4つの段落(subject_definitions・summary・retention_analysis・detailed_description)の重心。
| 箇所 | 00015 | 00016 |
|---|---|---|
| 定義 | 膝・ふくらはぎ・足首の相対的な幅、緩やかに丸い輪郭 | 比率、全体の厚み、柔らかくクッションのある輪郭 |
| 要約 | calf shape / lower-leg silhouettes | softly rounded calf surfaces / natural lower-leg fullness |
| 保持 | 幅の関係とシルエット | 全体の厚み、均等な柔らかいふくらみ、連続した丸い曲面 |
| 詳細 | 幅の比率と足首へ向かう輪郭 | softly cushioned contours・evenly distributed fullness beneath smooth skin・one continuous, softly rounded surface |
考え方はこうだ。00013まで「細く」を重ねると、脚の幅は少し変わっても、表面の縦の筋と陰影は残った。本人の経験則として「否定語で書くと逆に寄る」があるので、筋肉・男性・アスリートといった否定の列挙はやめ、望む形を肯定形だけで描く。そして「細さ」ではなく「厚みを保ったまま表面を連続した丸い面にする」と、皮膚の下のふくらみを描く言葉に替えた。
公式のプロンプト書式(6セクション、参照の役割の明示)はHugging Faceの公式ガイドで確認した。ただし「否定語で逆に強まる」は公式に書かれた仕組みではなく、当方の経験則として扱っている。

見えたこと
- 00016は、下腿の明暗の移り変わりが穏やかに見えるコマがある。本人の「だいぶ良くなった」はこの印象。
- 一方で、膝下からふくらはぎにかけての局所的な膨らみと縦の陰影は残る。全コマで滑らかになったわけではない。
- 背景や脚の位置は時刻を揃えても完全一致しない。これは「同じ時刻のコマを並べた」比較で、寸法や体脂肪を測ったものではない。
- 1組・1seedの結果。どの単語が効いたか、他のseedで再現するかは未検証。
次に試すこと
残課題は「今の太さを保ったまま、ふくらはぎ表面の曲面と明暗のつながりをもう一段滑らかにする」。脚の太さや動きの指定は増やさず、次の2つを別々に試す。
- 表面の連続性の語を増やす(形の側)。
- 脚への光を
Broad, softly graded light follows the rounded surfaces of her calves.のように描く(光の側)。最初から形と光を同時に変えない。
Seamless VAEは(56)で顔も変わったので、体形の問題の第一候補にはしない。
まとめ
- 白素体の骨格を細くしても、「細く」を重ねても、表面の筋は消えなかった。原因はH3側の「走る脚」の描き方にある、が当方の見方。「柔らかな厚み・均等なふくらみ・連続した丸い曲面」を肯定形で書いたら、本人評価で「だいぶ良くなった」。
- 00015→00016はプロンプトのノード1つだけの差で、同条件比較としては今回が一番きれい。
- 流れとしては、白素体=動き、キャラシート=容姿、プロンプト=微調整。この分担で進める(途中経過)。
- 16GB×2、10ステップで1本8分39秒。白素体とキャラシートは(54)のまま。
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続き: (60) 脹脛論争の結論——「筋肉質をなくす」ではなく「内側の明部と暗部を中間調でつなぐ」、そして最後は見下ろしカメラだった

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