生成AI研究室(63) HyperFlow H3 Flash(GGUF)を16GB GPUで動かした——配布元が「未計測」と書いた環境で、Q4/Q8のref2vとQ4のi2vが約5〜6分で完走

生成AI研究室(63) HyperFlow H3 Flash GGUF 16GB実測 アイキャッチ

(57)のモデル一覧に派生として載せたHyperFlow H3 Flash(31B→14B・4〜8ステップ・CFGなし)は、配布元が「24GBと32GBで計測、16GBは未計測」と書いている。当方の16GB GPUで測った。GGUF版のQ4_K_MとQ8_0のref2v、Q4_K_Mのi2v、合わせて4本がすべて完走した。

図1: A=Q4_K_M 6ステップ、B=Q8_0 6ステップ、C=Q4_K_M 8ステップ、D=i2v Q4_K_M 6ステップ。各0/1/2.5/4秒。デスクトップ(ChatGPT)作成
目次

先に結論

  1. 4本すべて完走し、全コマのデコードまで通った。 所要はA 316秒、B 307秒、C 373秒、D 290秒(約4分50秒〜6分13秒)。
  2. GPUのピークは約12.2GB。 2枚挿しの機体だが、処理はGPU0主体で、GPU1は114MiBしか使っていない。「2枚で32GB」として動かしたのではない。CPUオフロードとディスクmmap(weights_in=disk)を併用し、RAMの実使用は31〜37GiB。
  3. Q8と8ステップの画質優位は、この1seed・各1回では出ない。 衣装と後方ジョギングはA/B/Cとも維持。背景や足の位相は版ごとに変わる。
  4. 脚の筋肉質な陰影は残る。 ただしGGUF版のref2vは画像参照のみで白動画が入らず、(60)で効いた「白素体+キャラシート+中間調のプロンプト」の流れがそのまま使えない。入力条件の差であって、量子化の劣化とは分けて見る。
  5. i2v(D)は、正面静止画から始めると冒頭1秒で後ろ姿へ切り替わる。 先頭の1枚を「住宅街・後ろ姿・走り出し」にすれば抑えられる見込み(次回)。

条件

項目値
GPURTX 5060 Ti 16GB×2(処理はGPU0主体)、RAM 64GB
ComfyUI0.44.0のまま更新なし。既存のComfyUI-GGUFに、公式のComfyUI-HyperFlow-Flashを追加
モデルGGUF ref2va Q4_K_M(9.1GB)、Q8_0(14.9GB)、fl2va Q4_K_M。公式配布元から取得しSHA256を照合
テキストエンコーダ既存のQwen3-VL 32B nvfp4 AWQ(15.7GB)。int8版への置換なし
VAE公式video fp16 / audio fp32
生成672×928、24fps、124コマ=5.17秒(17k+5の制約)、音声つき。CFGなし、Euler、公式HyperFlowSigmas
参照A/B/C=キャラシート1枚。D=キャラシートの正面全身を切り出し、灰色余白に配置して672×928へ縮小
プロンプト(60)の00021の全文を元に、白動画への参照だけを「後方追従カメラ・ジョギング」の文章に置換。A/B/C/D間は完全同一
メモリ設定reserve-vram 4GiB、キャッシュなし、weights_in=disk を明示。保護の閾値は変更なし
seed00021と同じ値で固定

実測

試験方式量子化ステップ所要GPU0 / GPU1 ピークRAM実使用ピーク結果
Aref2vQ4_K_M6316.3秒12,264 / 114 MiB31.3GiB完走
Bref2vQ8_06307.1秒12,236 / 114 MiB37.1GiB完走
Cref2vQ4_K_M8373.1秒12,236 / 114 MiB31.5GiB完走
Di2vQ4_K_M6290.2秒12,240 / 114 MiB32.3GiB完走
Eref2va int8+白動画int8————未実施(任意)

所要はComfyUIのhistoryの開始〜成功。VRAMはnvidia-smiの約1秒間隔なので瞬間のピークは取りこぼす可能性がある。RAMはComfyUIプロセスのworking setで、Windows全体の使用量とは別。AとBの一部はモデルのダウンロードと重なっており、各条件1回の計測。速度の順位を付けるなら、ダウンロードを止めて複数回測る必要がある。

Eは配布元の「ホストRAM 69GiB以上」の条件に対し当方は64GBなので、今回は主目的のGGUF 4本を優先した。失敗ではなく未実施。

A(ref2v Q4_K_M 6ステップ)。672×928・5.17秒・音声つき

見た目(抽出コマの観察)

対象観察
A: Q4 6ステップ0・1・2.5・4秒で後ろ姿、ポニーテール、白T、黒ショーツ、白ソックス・靴。日本の住宅街らしい建物・電柱・植栽。脚には筋肉の形を示す陰影が残る
B: Q8 6ステップ同じ衣装と後方ジョギング。Aとは人物の画面内サイズ・足の位相・家屋や標識が異なる。膝裏・下腿の陰影があり、Q8だけで脚が柔らかくなる傾向は確認できない
C: Q4 8ステップ後方ジョギングを維持。Aと似たポーズのコマもあるが背景・影の形が変わる。下腿の凹凸は依然見える。8が6より必ず良いとは判断しない
D: i2v Q4 6ステップ0秒は入力どおりの白背景・正面静止。0.25秒でも静止姿が残り、0.5秒で住宅街が重なり、0.75秒で前向き、1秒で後ろ姿のジョギングになる

抽出した4時刻の全体画像では、(61)で問題になった空の強い縞は目立たない。ただし全コマの目視ではなく、時間方向のちらつきがないことまでは言えない。背面中心なので顔の同一性は判定できない。

脚の比較——量子化の差ではなく、入力の差

図2: A/B/C/00021の1・2.5・4秒、原寸切り出し(拡縮なし)。人物の画面内サイズが違うため、太さの差を実体の差と断定しない

00021((60)の採用版・int8 Ref2VA 10ステップ・白動画あり)では下腿の中間調が比較的連続して見えるコマがある。A/B/Cでは局所的な明暗や輪郭の凹凸が残る。

ここで「GGUF版は脚が硬い」とは書かない。理由は2つ。

  • GGUF版のref2vは画像参照のみで、白動画が入らない。00021は白動画で動きとカメラを固定したうえで、キャラシートと中間調のプロンプトで容姿を寄せた。今回はその白動画の代わりを文章で書いている
  • 照明・画角・人物サイズ・足の位相が揃っていない。量子化の劣化量として定量できる条件ではない

脚の柔らかさを量子化別に比べるなら、照明と人物サイズと位相を揃えた別の試験になる。

i2vの冒頭1秒

図3: D(i2v)の0/0.25/0.5/0.75/1秒。白背景の正面静止から、住宅街の後ろ姿へ切り替わる

Dは「最初のコマを入力画像に固定する」方式に、「後ろから追う」指示を与えている。入力がキャラシートの正面全身(白背景・FRONTの文字入り)なので、先頭を正面で固定する条件と、最初から後ろを追う指示が競合した可能性がある。これは観察からの仮説で、モデルの不具合とは言わない。

次回は、D用に「住宅街、後ろ姿、走り出しの姿勢」の1枚を用意して、先頭の切り替わりを抑える。

前処理の記録(D)

正面部分はキャラシートから切り出した。元から顔にぼかしがあり、FRONTの文字も含まれる。顔の再生成や補完はしていない。公式のImageToVideoノードは最初の画像をキャンバスへ単純に伸縮するので、742×1024の灰色余白へ配置してから672×928へ縮小し、横方向の引き伸ばしを防いだ。

(57)の一覧に足す数字

項目値
16GB GPUで動いたか動いた(Q4_K_M・Q8_0 ref2v、Q4_K_M i2v)
所要5.17秒・6ステップで約5分、8ステップで約6分
VRAMピーク約12.2GB(オフロード・mmap併用)
RAM31〜37GiB(プロセスの実使用)
配布元の記述24/32GBで計測、16GBは未計測

配布元の別GPUでの数値(5090で92秒など)と当方の数値は条件が違うので並べて倍率にしない。この結果は特定のプロンプト・解像度・メモリ設定での完走可否で、16GB環境すべてを保証するものではない。

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続き: (64) 「人物を追い続けないドローン」——引いて小さくなる人物を直すのではなく、カメラを風景へ向けた。道路は「直線・平行・消失点」で直った

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