生成AI研究室(55) クリスマス企画 第1弾——P-H3-ImageのLoRA版を16GB×2で動かし、キャラシートの正面1枚から向き・表情・ポーズ・サンタ衣装の12枚を作った

11月4日に公開された「P-H3-Image」は、動画モデルMiniMax H3から切り出された画像の生成・編集モデルです。Xで「LoRA版なら16GBで動く」「立ち絵1枚から12の編集が指示どおり」という報告が続いたので、当方のデスクトップ(RTX 5060 Ti 16GB×2・RAM 64GB)で、第50回のキャラクターシートの正面1枚から、同じ12種類の編集を作りました。クリスマス企画の第1弾、キャラシート編です。

12枚の出力(縮小一覧)。①白背景 ②背面 ③左側面 ④右側面 ⑤微笑 ⑥大笑い ⑦ジャンプ ⑧こちらへ走る ⑨振り返り ⑩サンタ衣装 ⑪雪の夜の街 ⑫ツリーの横で手を振る。すべて同じ正面1枚・同じseed・8ステップ・1760×2368
12枚の出力(縮小一覧)。①白背景 ②背面 ③左側面 ④右側面 ⑤微笑 ⑥大笑い ⑦ジャンプ ⑧こちらへ走る ⑨振り返り ⑩サンタ衣装 ⑪雪の夜の街 ⑫ツリーの横で手を振る。すべて同じ正面1枚・同じseed・8ステップ・1760×2368

結果を先に。12枚すべて4MPで完走、1枚94〜141秒。 白Tシャツ・黒い膝上ボトム・白い靴下と靴・ポニーテールは12枚で保たれました。手足の増殖はありません。一方、入力の顔のぼかしは、4枚でそのまま出ました。

目次

入れたもの

P-H3-Imageの配布元(PrunaAI)は、本体のフルセット(20〜55GB)と、手持ちのMiniMax H3に足すLoRA(2.0GB)の2通りを出しています。当方はLoRA経路です。

部品使ったもの
ComfyUI0.36.0→0.44.0に更新(P-H3-Imageはカスタムノード不要でネイティブ対応)
本体MiniMax H3 FL2VA int8(21GB・配布元がLoRAの対応ベースとして明記)
LoRAp-h3-image_lora_bf16(2.0GB)・Load LoRA(Bypass, Model Only)・強度1.0
テキストエンコーダ手持ちのQwen3-VL 32B(nvfp4)
VAE手持ちのH3 VAE(fp16)
プロンプトアップサンプラーなし(短い指示文を直接)
出力1760×2368(4MP)・8ステップ・euler・CFGなし・seed固定

フルセットもP-H3専用のテキストエンコーダ・VAEも入れていません。追加で取ったのはFL2VA本体とLoRAだけです。

もう1つ。H3VM(2枚のGPUに分ける仕組み)は、LoRAの読み込み方と相性がなかったので通していません。標準ComfyUIのCPUオフロードで、主にGPU1枚(13.4GiB)+RAM 43GiBで動いています。GPU 16GBに本体が全部載っているのではなく、RAMに退避しながら動いている、という意味です。RAM 64GBがないと厳しい帯です。

入力は「顔がぼけた」正面1枚

第50回の5面シートから、正面全身の1面(308×952)だけを切り出して入れました。このシートは全身の顔をぼかし、顔アップ2点だけ鮮明にしてある作りです。今回は顔アップを渡していません。「正面全身1枚だけ」の条件を保つためです。

左=入力(シートの正面1面・顔はぼかし)、中=出力①白背景(顔は補完された)、右=出力⑨振り返り
左=入力(シートの正面1面・顔はぼかし)、中=出力①白背景(顔は補完された)、右=出力⑨振り返り

12枚の結果

#編集秒判定
①同じ姿勢・白背景141達成。薄い床影。顔は補完
②背面102達成。靴の細部は推定
③左側面122概ね達成。靴に入力にない意匠
④右側面111達成。靴の側面が③と違う
⑤顔アップ・微笑112達成
⑥顔アップ・大笑い94達成。⑤との差は明確
⑦ジャンプ94ポーズ達成・顔はぼかしのまま
⑧こちらへ走る96ポーズ達成・顔はぼかしのまま
⑨振り返る110達成。顔は補完
⑩サンタ衣装・白背景94衣装達成・顔はぼかしのまま
⑪⑩の衣装で雪の夜の街96背景達成・衣装は部分一致・顔はぼかしのまま
⑫⑩の衣装でツリー横で手を振る95達成。顔は補完。5本指

秒は投入から取得までの壁時計(読み込み・8ステップ・VAE・保存込み)。初回①が長いのは読み込みです。

顔: ぼかしを入れたら、ぼかしが出る

⑦⑧⑩⑪は、入力の顔のぼかしをそのまま引き継ぎました。⑤⑥⑨⑫は顔が新しく描かれています。どちらが出るかは指示文で制御していません。入力に顔がないので、鮮明な顔が出ても「元の人物の顔を保った」とは言えません。本人の顔で揃えるなら、シートの顔アップを参照に足すのが次の条件です(P-H3-Imageは参照画像を8枚まで受けます)。

衣装: 3枚で細部が毎回違う

サンタ衣装の3枚。⑩白背景、⑪雪の夜の街、⑫ツリーの横。赤いコート・白いファー・帽子は共通だが、腰の紐・ボタン・前のファーが毎回違う
サンタ衣装の3枚。⑩白背景、⑪雪の夜の街、⑫ツリーの横。赤いコート・白いファー・帽子は共通だが、腰の紐・ボタン・前のファーが毎回違う

⑪⑫は⑩の出力を入力にした連鎖ではなく、同じ正面1枚に同じ衣装の説明を繰り返して作っています。だから赤いコート・白いファー・サンタ帽・白い靴は3枚で共通でも、⑪には腰の結び紐が足され、⑫は金色のボタンとポケットになり、前中央のファーがありません。衣装を揃えるなら、⑩の出力を次の参照に渡す(連鎖させる)のが筋です。

4面: シートの候補にはなる

①正面 ②背面 ③左 ④右を並べたもの。服と髪は揃うが、靴の意匠とポニーテールの結び目の位置が角度で違う
①正面 ②背面 ③左 ④右を並べたもの。服と髪は揃うが、靴の意匠とポニーテールの結び目の位置が角度で違う

②③④を①と並べると、新しい4面シートの候補にはなります。ただし靴の側面の線や結び目の位置が角度ごとに違うので、そのまま「一貫した5面シート」とは言えません。点検して直す前提の素材です。

分かったこと

  • 16GB×2+RAM 64GBで、4MP・8ステップが1枚2分弱。 載ったのはCPU退避込み。RAMが要る。
  • 服・髪・靴の大枠は12枚で保つ。 向き・表情・ポーズ・衣装・背景の指示は12枚とも通った。
  • 入力に顔がなければ、顔は出ない(か、勝手に描かれる)。 本人の顔を保つには顔の参照を足す。
  • 衣装の細部は毎回変わる。 揃えるなら連鎖。
  • 靴の意匠は角度で変わる。シートに使うなら点検。
  • 追記(11/7): 配布元は8MPで学習しており、2MP/4MPでは顔と手に粗が出やすいと記載がある(comfyui-wiki 11/3)。今回は4MPで焼いたので、顔のぼかしが残った4枚には解像度の影響も混じっている可能性がある。次回は8MPとの比較で切り分ける。

クリスマス企画は、次に「顔アップを参照に足した正面1枚+サンタ衣装の連鎖」で4面を揃え直し、そのシートで動画(第2弾)に進みます。


本記事の画像は当方の生成物で、人物は当方の参照画像から作ったものです。実在の人物ではありません。P-H3-ImageはPrunaAIの配布物、MiniMax H3はMiniMaxのモデルで、いずれもMiniMax H3 Community Licenseです。


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