錬金学総論(64) 「人物を追い続けないドローン」——引いて小さくなる人物を直すのではなく、カメラを風景へ向けた。道路は「直線・平行・消失点」で直った

錬金学総論(64) 人物を追い続けないドローン アイキャッチ

(61)では後ろ上空から人物へ寄るドローンを作った。今回は逆で、走る女性の締めのカットとして、後ろから離れていく12秒のドローンを4本回した。直したのは人物の描き方ではなく、カメラの向きと道路の書き方だった。

図1: 00036〜00039の0/4/8/12秒。上から、12秒で引く→8秒で引きを止めて追尾→ジンバルを水平へ→直線道路を明示(採用)
目次

先に結論

  1. 引きで小さくなった人物は、小さいまま描かせると棒になる。 00036の12秒時点で人物の高さは画面の約3%。走りが読み取れない。
  2. 「8秒で引きを止めて、残り4秒は追尾して大きさを保つ」は反映されなかった(00037)。 時刻の指定はタイムライン制御ではない。
  3. 発想を変えて、人物を追い続けるのをやめた(00038)。 機体は後退上昇を続け、ジンバルだけを下向きから水平へ起こし、人物は足・胴体・頭の順に画面下へ出ていく。最後は屋根と遠景と空。本人評価「アングルはいい感じになった」。ただし道路が突き当たりに見えた。
  4. 道路は「場所の名前」でなく「画面内の構造」で直った(00039)。 「足元から遠景まで同じ直線道路が続く」「両端は実空間で平行、画面では一つの消失点へ」「家並みは道の両側」と書いたら、まっすぐな住宅街になった。本人評価「だいたいOK」で採用。00038→00039はプロンプト以外同一。
  5. 「約5秒で退出」は未達。 00039でも人物が画面から消えるのは8〜10秒の間。時刻の書き方の限界は変わらない。

条件

項目値
生成MiniMax H3 Ref2VA pruned int8 + ref2v turbo LoRA、10ステップ、seed固定、672×928、24fps、294コマ=12.25秒(12秒指定が17k+5の制約で切り上がる)、音声つき
参照キャラシート1枚のみ。白動画なし。カメラも動きも文章で指定
所要00036 1013.5秒 / 00037 969.7秒 / 00038 1006.7秒 / 00039 1000.6秒(約16〜17分)
差分00038→00039は実行APIを比較してプロンプトのノード1つだけが異なる
機体RTX 5060 Ti 16GB×2

4版の経緯

版指定結果本人評価
00036近い後ろ姿から後方斜め上へ12秒で離れ、住宅街の全景に小さな走者が残る街の広がりは良い。終盤の人物が小さな棒状、高さ約25〜30px(画面高928の約3%)。冒頭0秒は頭が切れる「なかなかいい感じ」、ただし終盤の走りが読めない
000378秒まで引き、最後4秒は前進追尾して人物の大きさを保つ8秒以降も人物が縮小し続ける。追尾の指定は反映されず「先ほどより良くなったが、小さくなった時の描画に不自然さが残る」
00038機体=後退上昇を維持。ジンバル=下向きから水平へ。人物は約5秒で画面下へ退出。8〜12秒は屋根と遠景と空人物から風景への移行は成立。前方の道路が横方向の道に突き当たるように見える。退出は6〜8秒「アングルはいい感じになった」、道路をまっすぐにしたい
0003900038に「同じ直線道路が足元から遠景まで続く」「両端は平行、画面では一つの消失点へ」「走行方向・道路の長軸・カメラの向きを一致」「家・塀・電柱は両側」を追記道路が改善。退出は8〜10秒「だいたいOK」採用
00039(採用)。後ろから離れて住宅街の朝で締める12.25秒・672×928・音声つき

効いた書き方

  • 機体の移動とカメラの回転を分ける。 「後退・上昇」は機体、「下向きから水平へ」はジンバル。一文にまとめると、どちらが変わるのか読み取られない。
  • 「人物を消す」とは書かない。 靴・脚・胴体・肩・頭の順に画面下端を越える、という自然なフレームアウトとして書く。
  • 場所の名前でなく画面内の構造を書く。 「住宅街」だけでは道の配置はモデル任せになる。道路の両端、消失点、走行方向、左右の家並みの関係を書く。
  • 既存カットとのつながりを保つ。 白い路側線、画面左からの朝日、右へ伸びる影は4版とも同じ指定。

(60)の脹脛、(62)の首と同じ型で、曖昧な感想を画面上で判断できる要素に置き換えている。ただし今回は陰影の調整ではなく、構図と空間配置の調整だった。

分けられないこと

  • 00038→00039は設定据え置きのプロンプト変更なので、道路の改善とプロンプトの対応は確認できる。ただし1組の比較で、追記した文のどれが効いたか、他のseedで再現するかは分からない。
  • 00036→00037→00038は段階的な変更で、要因を分けた実験ではない。
  • 「約5秒で退出」は00038(6〜8秒)でも00039(8〜10秒)でも未達。プロンプト内の時刻は目安にしかならない。人物を最後まで映し続ける必要をなくしたことで、不自然さが気になる時間を減らした、というのが今回の成立の仕方。
  • 小さい人物の描画品質そのものが解決したわけではない。見せない構成にした。

完成動画の位置

このドローンは、玄関で靴を履いて出る8秒(次回)→正面→横→顔→ドローンの5カット、38.6秒の締めに入る。完成動画は次回に載せる。

関連

続き: (65) 玄関から走り出す8秒——靴が余り顔が切れた日本家屋をマンション玄関に変えて成立、顔は白動画なしの方が自然だった。5カット38.6秒に

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

目次