開発史(7) 1,251本。右肩は続いた——SOLが25%下がった36日間に

開発史(7) 1,251本。右肩は続いた——SOLが25%下がった36日間に

前回(開発史6)で、理論値(DryRun)の累積カーブが823トレードで右肩を続けている、と書きました。あれから3週間、カーブは1,251トレード・除外なしまで伸びました。

この間もBotには手を入れていません。プログラムも設定も、9月28日に起動したときのままで、36日間、一度も止まっていません。

理論値(DryRun)の累積カーブ、1本目から1,251本目まで。縦軸の金額は非公開
理論値(DryRun)の累積カーブ、1本目から1,251本目まで。縦軸の金額は非公開

例によって縦軸の金額は非公開です。形はそのままです。

今回は2つのことを書きます。823本目から先の428本の中身と、同じ36日間のSOL・BTCの値動きとの重ね合わせです。

目次

428本の中身

823本まで824〜1,251本目
勝ち212本(約26%)122本(約29%)
└ 大勝ち87本(約11%)51本(約12%)
└ 小さな勝ち125本(約15%)71本(約17%)
負け611本(約74%)306本(約71%)
└ 手数料負け(小さな負け)352本(約43%)118本(約28%)
└ 崩落(大きな負け)259本(約31%)188本(約44%)

勝ちの形は前回と同じです。4回に3回は負けて、1割の大勝ちで勝っています。 大勝ちを除いた377本だけを合計すると、今回もマイナスです。

変わったのは、負けの中身です。手数料負けが減って、崩落が増えました。負けたときに、小さく負けるより大きく負けることが多くなっています。設定は同じなので、これは入ってきた銘柄の側の変化です。

もう1つ、取引の数が減りました。823本は14.6日ぶんでしたが、428本には21日かかっています。1日あたりの取引は56本から20本に減りました。 Botが止まっていたのではなく、入口の手前まで来る銘柄そのものが、1日66件から26件に減っています。相場に出てくる新しい銘柄が減った、ということです。

横ばい111本と、立ち直り

カーブの形で言うと、428本は3つに分かれます。

  • 849本目まで: 前回の続きで、ゆっくり伸びました。
  • 849〜999本目: 落ちて、横ばいです。10月14日から22日にかけて、64本の落ち込みと49本の落ち込みが2回あり、間の111本は増えも減りもしませんでした。
  • 1,000本目から先: 立ち直りです。10月23日からの約250本でまとまって伸び、1,247本目(11月2日)で累積の最高値を更新しました。

この428本で積み上がった分は、それまでの823本で積み上がった分の約4分の1です。1本あたりでは、前の半分ほどのペースです(金額は非公開です)。

前回、「設定が同じでも成績は相場で波打つ」と書きました。今回もそのとおりでした。10本に1本の大勝ちで負けを養うBotは、大勝ちが出ない期間には手数料負けと崩落を静かに積み上げます。それがグラフの横ばいの正体で、大勝ちがまた出る期間が来ると立ち直ります。横ばいを仕組みの欠陥と読まないのも、立ち直りを仕組みの手柄と読まないのも、同じ理由です。

SOLが25%下がった36日間に

ここからが今回の本題です。

このBotはSolanaのミームコインを狙っています。では、SOLやBTCの相場が荒れたとき、Botの成績はそれに引きずられるのか。手元に36日ぶんの記録がそろったので、重ねてみました。

上段=Botの累積(理論値・日付軸)、下段=SOLとBTCの価格(2026年9月28日を100とした指数)。期間は9月28日〜11月3日
上段=Botの累積(理論値・日付軸)、下段=SOLとBTCの価格(2026年9月28日を100とした指数)。期間は9月28日〜11月3日

上段がBotの累積(理論値・日付軸)、下段がSOLとBTCの価格(9月28日を100とした指数)です。

この36日間に、SOLは121ドルから92ドルへ25%下がり、BTCは8万4千ドルから7万7千ドルへ9%下がりました。 10月8日からの3日で約10%、10月30日に約7%と、大きめの下げが2回あります。その間、Botの累積は右肩を続けました。

日ごとに数えると、こうなります。

日数Botの日次損益の合計大勝ちの本数1日あたりの大勝ち
SOLが上がった日16日プラス61本3.8本
SOLが下がった日20日プラス77本3.9本

上がった日も下がった日も、合計はプラスで、1日あたりの大勝ちの本数はほぼ同じでした。Botの日次損益とSOLの日次騰落の符号が一致した日は36日中19日で、コイン投げと変わりません。BTCで見ても同じです。

ただし、これは「相場に左右されない」証明ではありません。 36日間、相場は一方向(下げ)で、大きな下げも2回しか入っていません。上げ相場で同じになるかは、まだ分かりません。初回の観測として、形だけ記録しておきます。

もう1つ、読み間違えやすい点があります。このBotの損益はSOL建てです。SOLが何ドルかは、Botの計算に入っていません。SOLの値段が下がっても、SOL建ての累積はそれだけでは減らないのです。相場が効くとすれば、「相場が荒れると、新しいミームコインの数や、大勝ちになる銘柄の出方が変わる」という経路です。先に書いたとおり、この36日間に新しい銘柄の数は半分以下に減りました。それでも大勝ちの出方(1日あたり3〜4本)は変わらなかった、というのが今回の観測です。

実弾は、止めたまま

ここまでは、すべて理論値の話です。

実弾は、9月の半ばから止めたままです。それ以降、新しい取引は1本もありません。開発史(4)で書いた三つの溝(固定費・執行・地合い)は、まだ測り直せていません。

理論値の1,251本は、実弾の1本ではありません。この1行は、本数が増えても消えません。

次に書くもの

このBotの作り(Rustで書いた二重のエンジン、取引用と分析用に分けた複数のサーバー、理論値と実弾が同じプログラムで動く仕組み)を、まだ一度も記事にしていません。次回は、その構成を1枚の図で書きます。

まとめ

  • 理論値は1,251本。36日間、Botは止まらず、設定も変えていない。823本目からの428本は、横ばい111本を挟んで立ち直り、1,247本目で最高値を更新した。
  • 勝ち方の形は同じ。4回に3回は負け、1割の大勝ちで勝つ。負けの中身は、手数料負けが減って崩落が増えた。
  • 新しい銘柄の数が1日66件から26件に減り、取引は1日56本から20本に減った。
  • 同じ36日間にSOLは25%、BTCは9%下がった。SOLが上がった日と下がった日で、Botの合計も大勝ちの出方も差がなかった。相場に左右されない証明ではなく、初回の観測。
  • 実弾は止めたまま。

次回は構成篇です。

続き: 開発史(8) 構成篇——Rustのエンジン1本と、7つの仕事と、小さなVPS3台


本記事の内容は2026年9月〜11月の当方の検証に基づきます。数字はすべて理論値(DryRun)で、実際の利益ではありません。金額・フィルター条件の数値等は非公開です。価格はCoinGeckoの日次データ(各日00:00 UTC)によります。本記事は投資助言ではありません。暗号資産の自動売買には元本を失うリスクがあります。

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