生成AI実験室(29) ComfyUIの中で「Premiere Pro風」にタイムライン編集できるもの、5つ——H3向けの2つと、素材を切って並べる3つ

生成AI実験室 第29回 ComfyUIの中でPremiere Pro風に編集できるもの5つ

ComfyUIで動画を作っていると、「できた5秒・15秒をPremiere Proのように並べて、切って、つないで1本にしたい」という場面がすぐ来ます。ComfyUI公式にはタイムライン機能がありません。代わりに、コミュニティ製のカスタムノードが少なくとも5つあります。各GitHub・Hugging Face・comfyui-wikiの記載を読んで、違いを整理しました。検証はこれからですが、この記事は「どれが何をするものか」を選ぶための地図になります。

目次

先に結論

  • 「タイムラインが出る」ものは5つ。全部コミュニティ製。
  • 目的で2つに分かれる。 ①「続きを生成して長くする」——obvpm Timeline、MiniMaxH3 Director(どちらもH3専用)。②「できた素材を切って並べて1本にする」——BSAI Premiere Pro、Sonder Editor、Vlo。
  • Premiere Proの代わりになるのは②。①は編集ソフトというより「テイクを並べて、続きを作る」生成の道具です。
  • H3の出力をそのまま扱えるのは、①の2つと、H3のワークフローを同梱するVlo。BSAI Premiere ProはffmpegでMP4を結合する汎用なので、H3のMP4も並べられます。

5つの一覧

ComfyUIでタイムライン編集できるもの5つを2軸で置き、期待度を添えた図
5つを「延長系/結合系」と「H3専用/汎用/外部」で置くと、こうなる。◎○△×は当方の目的から見た現時点の期待
#名前期待何ができるH3との関係気になる点
1obvpm Timeline(chanon)◎1つのTimelineノードにクリップ・再生ヘッド・カット。生成したテイクを並べ、Extend(後ろに足す)/Prepend(前に足す)/Bridge(間を作り直す)/Loop(末尾→先頭)で続きを作る。つなぎは潜在(latent)のまま、再エンコードしない。全体のアップスケールありH3専用。テイクごとにMP4と潜在のサイドカー(1280×704で1秒あたり2〜3MB)。外部の動画は潜在がないのでピクセル経路のみ40秒ほど延長を重ねると画質低下・色ずれの報告。別の延長パックと併用すると継ぎ目で明るさがずれる報告
2ComfyUI-MiniMaxH3-Director(seesee75-commits)○タイムライン上の区間=ショット。ショットごとにプロンプトを書くと、全体の絵コンテ用プロンプトを組み立てる。画像をキーフレーム、音声を参照または最終音声に。Retake Stitch(一部を作り直して差し戻す)、Enhance Prompt(ローカルの視覚モデルで参照画像から文を書く)H3専用。参照なし=FL2VA系、参照あり=Ref2VA系灰色の出力はVAEの問題で --fp32-vae 起動の案内。ノードが出ないときはハードリロード
3BSAI Premiere Pro(xm6018924)○監視フォルダから自動取り込み、ドラッグでトリム、カミソリ分割、トランジション(カット/フェード/黒/白)、音声の分離・差し替え、複数の映像・音声トラック、プレビュー、ffmpegで結合(同条件なら再エンコードなし)、任意で4Kアップスケール汎用。画像+音声を入力につなぐと1回の実行で1クリップ追加する自動モードあり小さく新しい(星4)。監視フォルダの既定がWindowsパス。アップスケールはVRAMを食う
4ComfyUI-Sonder-Editor(SonderSaid)△全画面のタイムライン編集(複数レーンの映像・音声、トリム・分割・スナップ・ロック、多層合成)、シーンごとに長さ・解像度・FPS、任意のコマに参照画像、プロンプト3レーン(Visual/Speech/Sounds)、レンダー待ち行列、タイムライン書き出し(ffmpeg)汎用。例のワークフローはLTX系。H3の記載なし。性能は「つないだモデル次第」Managerから入るがRegistry未登録。外部リンク機能を有効にするとサーバーからフォルダが読めるようになる(信用できないネットワークに出さない注意書き)
5Vlo 0.3(PxTicks・ComfyUIの外)○ブラウザ(Chrome/Edge)で動くオープンソースの編集ソフト。タイムラインで範囲を選ぶとコマとマスクをComfyUIのワークフローに送り、結果をレイヤーとして戻す。マルチトラック音声、ステム分離、SAM2マスク、カラーグレーディング、キーフレーム、トランジション同梱18ワークフローにMiniMax H3あり(ほかQwen Image Edit・LTX-2.5・Flux 2 Klein・VACE・SeedVR2)Firefox不可。コミュニティのノードパックに依存(不足は補助スクリプトで導入)

「期待」は、当方の目的(H3でローカル生成した5〜15秒を、崩れずに長くつなぐ)から見た現時点の期待度です。◎=H3の出力をそのまま扱え、目的に直結 / ○=目的に使えるが条件つき / △=目的には遠回り / ×=H3では使えない。検証はこれからなので、動かした結果で書き換えます。

参考: LTX Director 2.0(WhatDreamsCost)もComfyUI内のタイムライン編集ノードですが、LTX-2専用でH3の記載はありません(期待 ×)。

どれを選ぶか

長尺を作りたい(15秒の壁を越えたい) なら、1のobvpm Timeline。第23回で書いた「尺を伸ばすと崩れる」問題に対して、15秒を潜在のままつないで延ばす、という別の答えです。ただし40秒あたりで画質低下の報告があり、無限に伸びるわけではありません。

ショットごとにプロンプトを分けて1本の絵コンテにしたい なら、2のH3 Director。タイムラインが「編集」ではなく「演出台本」になっているのが特徴です。

できた素材を切って並べて書き出したい なら、3か4。3は名前のとおりPremiere Pro的な操作で、ffmpeg結合なので軽い。4は機能が多く、シーン単位の設定とレンダー待ち行列まで持っていますが、例がLTX前提です。

ComfyUIの外で編集して、生成だけ投げたい なら、5のVlo。編集ソフトとしての完成度はこの中で一番高く、H3のワークフローが最初から入っています。

まとめ

  • ComfyUI公式のタイムラインはない。コミュニティ製が5つ。
  • H3向けは obvpm Timeline(潜在でつないで延長)と H3 Director(ショット単位の台本)。
  • 素材を切って並べるなら BSAI Premiere Pro / Sonder Editor。外で編集するなら Vlo。
  • 当方の次の一手は、obvpm Timelineで「15秒×3を潜在でつないだらどうなるか」の実測。

症状から対処を引く表はトラブル早見表に、機材ごとの所要時間は実測早見表にまとめています。

出典


各ツールの仕様は2026年10月16日時点の公開情報です。

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